昨日の記事で「変動金利を選んでいる人が6割」であることを紹介しました。
金利についても変動金利が最も安く、直近20年間では短期プライムレートがほ変わっていないため、変動金利を選択すると総支払額が少なくなる可能性が高いのが現状です。
今回は変動がお得とか、固定がお得とかという観点ではなく、4割の人が選択している固定金利に潜む罠について解説します。
比較サイトで表示される固定金利は概ね数字が盛られています。
・フラット35
大半の比較サイトでは2020年5月現在で「0.57%」と書かれています。
これ自体嘘ではないのですが、ほとんどの人が利用しない条件の金利で掲載されています。実態としては「1.30%」が正しい金利です。
・「10年固定」などの期間選択型
0,5%台で借りることができる金融機関も登場していますが、借り入れ当初のみ大幅に金利優遇されるためであって、10年後に金利上昇していなくても実質的に+1.0%になります。場合によってはフラット35の方が総支払額は安くなります。
固定金利は大きく分けて2種類あります

全期間固定型金利
借り入れする全期間金利が固定される住宅ローンです。
住宅金融支援機構が提供する「フラット35」が有名ですね。
・金利は毎月発表され、申し込んだ月の金利で全期間固定
・耐震性能などの基準を満たすと、借り入れ当初10年間は金利が0.25%優遇
・2020年5月現在、一般的な金利水準は「1.30%」
固定期間選択型金利
「10年固定金利」などのように、一定期間は金利固定が保証されている住宅ローンです。
・2020年5月の10年固定金利は「3.30%」
・各金融機関の「金利優遇」によって大幅に利率が下がる
・例えば三菱UFJ銀行の場合、金利優遇は2.60%なので、実質「0.7%」になる
・借り入れ当初と、10年後では金利優遇幅が異なる
固定期間選択型金利は、借り入れ当初だけ大幅に金利優遇

金利優遇に関する小さい注意書きに着目

一つの例として、三菱UFJ銀行のホームページを見てみましょう。
これを見ると、変動金利0.525%、固定10年0.690%と記載があります。
変動金利も、固定金利も大きく金利が変わりませんね。
これは三菱UFJ銀行だけではなく、どの銀行でも同じような数値となっています。
ポイントとしては、この表の下にある注意書きです。
当初特約期間終了後の優遇幅は、店頭表示金利より、固定3年は▲1.85%、固定10年は▲1.60%となります。
三菱UFJ銀行HPより https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/yuuguu/index.html
つまり、こういうことです。
借り入れ当初:店頭表示金利の3.290%から2.60%優遇されるので0.69%で借りることができますが、
10年後:もう一度10年固定金利を選択する時には1.60%しか優遇されず、金利が1.69%になるということを示しています。
1.69%となると、全期間固定型のフラット35の「1.30%」よりも大幅に金利が上回る水準です。
10年固定→10年固定と、全期間固定でシミュレーション
4000万円を借り入れた場合のシミュレーションを簡単にしてみましょう。
■固定10年を選択し、その後も10年固定を選択し続ける場合
金利:当初金利0.69%、11年目以降1.69%
毎月の支払額:当初107,227円、11年目以降120,792円
総支払額:49,104,700円
■フラット35
金利:当初金利1.05%、11年目以降1.30%
毎月の支払額:当初113,848円、11年目以降117,292円
総支払額:48,849,328円
計算サイト:https://keisan.casio.jp/exec/system/1256183644
なんと、全期間固定の場合のようが金額は安くなります。
借り入れ当初に10年固定金利を選択した場合、次は変動金利を選択した方が良さそうですが、
それならば初めから変動金利か、全期間固定型を借りた方が良さそうですね。
10年間で完済できる方は「10年固定」でも良さそうですが、それ以外の場合は、借り入れ当初の時点で変動型か全期間固定型を選択した方が合理的です。
比較サイトで掲載されているフラット35の金利には注意

全期間固定型で「0.57%」?
2020年5月現在、インターネットでフラット35の金利を調べると、
最安値:0.57%
これだけ見ると、変動金利とあまり変わらず、また10年固定よりも金利が低く見えますが、これにはもちろんカラクリがあります。
比較サイトの金利は、ほとんどの人が利用しない条件
0.57%の借り入れ条件は次の通りです。
・フラット35Sの当初10年間割引後の金利(11年目以降は+0.25%)
・頭金4割以上の支払い(一般的な頭金10%水準は+0.25%)
・「保証型」の金利(一般的な「買取型」は+0.05%)
・団体信用生命保険未加入(加入の場合は+0.28%)
このような条件で借りる人はほとんどいませんね。
ほとんどの方が利用するような、
・借り入れ比率8割以上9割未満(≒頭金10%)
・「買取型」
・団体信用生命保険加入
の場合は、「1.30%」となりますので、馴染みのある金利水準になります。
そもそもフラット35は住宅金融支援機構が提供しており、銀行は窓口になっているだけなので、銀行によって金利が変わることはほとんどありません。
価格比較サイトではあたかも特定の金融機関の金利だけ低くなるように表示されていますが、地方銀行含めてどの銀行を窓口にしても基本的に金利は変わりませんので、安易に流されないように注意しましょう。
まとめ
・「10年固定」などの「固定期間選択型金利」の場合は、借り入れ当初と、選択した期間後の金利優遇が大幅に変更される点に注意する
・「フラット35」などの「全期間固定金利型」の場合は、条件によって大きく金利がかわるので、自分が適用される金利水準で確認する
また、フラット35の過去の金利推移は、「ARUHI」のホームページがわかりやすいです。
以下ページの表の「機構団信加入、21年~35年」がほとんどの人に適用される金利です。(頭金なしの場合は、さらに金利が+0.26%の「1.56%」になります)
金利を気にすることなく支払い計画を立てたい方は、少し金利が高めの全期間固定、
金利が低いうちに返済を進めていきたい人は変動型を選択されると良いと思います。
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